ティーンズの相談室は夏休みが終わると少し静かになります。 ひと夏の恋なんて言葉もありますが、 夏休み中は性に関する悩みが増えるのであります。
彼とエッチしたその日から妊娠の不安に襲われる女子。 エッチの翌日に妊娠の兆候などないのですが、熱っぽい、気持ちが悪いなどの症状があると、パニックになります。後ろめたい気持ちがあるから、何でも妊娠に結びついちゃうのです。そして、生理が始まっても安心することはなく、その出血は生理ではない、着床出血かもしれないとまだ妊娠を疑う子もいます。
そんなに悩むならしなければいいのに・・・と思うのですが、 大好きな人から迫られると断れないようであります。 断れなくて公園や学校のトイレでする女子もいましたよ。
私が中学生の頃は、中学生でエッチなんて積木くずしのような不良の世界の話。責任が持てないうちは最後までしちゃいけない!という雰囲気がまだ残っていました。 今は処女崇拝は見事に崩壊し、普通の子も早く経験するようになりました。
昔の価値観を持ち出して、説教する時代じゃないとわかっていても、 モーニングアフターピルの副作用や中絶で苦しんでいる子をみると、 もっと身体を大切にして欲しいと思うことが多々多々あります。
厚生労働省と社団法人日本家族計画協会の調査によると、 朝食を食べる習慣がなかったり、親との会話が少なかったり、 家庭を楽しく感じない子供ほど、初体験が早いことがわかりました。
母親との影響(愛情不足)は、とくに大きいようで、 母親に不信感や嫌悪感を抱く子は、母親を肯定的に思う子より、 初体験の年齢がなんと3歳も若いのであります。
■初体験の平均年齢は19歳 ★朝食を毎日食べた人は19.4歳。 ★朝食を食べなかった人は17.5歳。 ●母親は「自分を守ってくれる」と思った人は19.7歳。 ●母親に「生んでくれて、育ててくれて、感謝」と思う人は19.1歳。 ●母親は「嫌い、うっとうしい」と思っている人は16歳でした。
先日、発表された全国学力テストの結果も、 家庭環境による学力の格差は顕著に現れていました。 家庭環境が与える影響が大きいことは、今に始まったことじゃないけど、 ご近所さん文化が崩壊し、近所のおっちゃんから叱られることもなくなり、 核家族化がどんどん進み、祖父母から教わることもなくなった今は、 昔よりもっと、生まれてきた家で人生が決まっている感じがします。
ところで、ひと夏の恋の悲しい結末は中絶です。 人工中絶手術が一番多い月は9月で、次が10月なんだそうですが、 逆算すると、夏のエッチが原因の望まない妊娠が多いことがわかります。
夏の終わりに、母親になる決断をした17歳が相談室にいました。 最初は否定的だったアドバイスも、最後は応援に変わっていました。 自分の17歳だった頃を思うと、すごい覚悟と決断でした。 でも、江戸時代は、17歳くらいだと当たり前のように子を産んだ年齢です。 もっとも江戸時代と今では、家族構成や育てる環境が大きく違いますが、 彼女に元気な赤ちゃんが生まれ、明るい家庭を築けるよう祈ってます。
2月12日 素直になれない複雑な親子関係 |