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阿川佐和子「スープ・オペラ」の読書感想文

●読書感想文
スープ・オペラ
著者:阿川佐和子
発売:2008/5/28

この小説は、ゆかさんからお便りいただき教えてもらいました。

阿川さんのような年のとり方がしたいなぁ〜
と思うくらい阿川さんの人柄が好きなのに、
実は、阿川さんの小説を読むのはこの本が初めて。

阿川さんってどんな小説を書くんだろう、と前々から気になっていたので、
その機会を与えてくれたゆかさんに感謝。ゆかさんありがとう。


この小説には、いろんなスープが登場します。
どれもこれも美味しそうなスープ。

感化されやすい私は、読み終わった後、スープを作りました。もちろん鶏のスープ(小説の中で一番存在感が大きいスープ)。気持ちは、トニーさんのように(トニーさんとは小説の中の人)、鶏まるごと一羽でスープを作ってみたかったけど、根性がなくて鶏ガラと骨付きもも肉で作りました。

鶏のスープでごはんを炊きカオマンガイも作りました。お野菜をいっぱい入れてお鍋も作りました。やっぱり料理は出汁だね。ちょっと手間をかけただけで美味しいです。でも、そのちょっとが普段は面倒くさいのであります(笑)

この小説を読む前に、阿川さんがクロワッサンに連載しているエッセイ「残るは食欲」を読みました。エッセイには震災三日後からの食生活の話が書いてあり(買いだめ騒動で苦労した事なども)、そこに「鶏のスープ」が登場します。

節約のため大量に作った鶏のスープ。最初は美味しくいただくが、数日後、鍋の蓋を開けると中からあやしい匂いが・・・。捨てようかと考えるが、被災した人々の顔が浮かび、捨てられない。捨てたらバチが当たる・・・。秘書に相談した阿川さんは、香辛料をたくさん入れてタイ風カレーに変身させます。そして、ひとりでは食べきれない量を作ったので、女友達を呼んでご馳走します(匂いがしてたのは内緒です)。友人達は「うまいうまい」と喜んで食べてくれて、『持つべきものは疑い深くなき友である』と悟る話。

そのエッセイを読んだ後に小説を読んだから、小説の主人公であるルイちゃんと阿川さんが重なって重なって。そっか阿川さんは友達とこんな距離感で付き合うのね、阿川さんは好きな人ができるとこんな風になっちゃうのね、と妄想しまくり。そして、しまいには、そんな風に諦めちゃうから結婚できなかったのかも〜などと大変失礼なことまで考えながら読んでいました。

そして、読み終わった感想は、年上の方に向かってまたまた失礼なのですが、阿川さんってやっぱり可愛い♪小説にまで上品でチャーミングな人柄が出てました。

ただ、ひとつだけひとつだけ難癖付けさせてもらいますと、小説家の話だけは苦痛でした。苦痛すぎて小説家が出てくると読むスピードが落ちるの。でも、この小説家がいなければ、年下の彼とは出会ってなかったし、この小説家がいたから、ルイちゃんはトニーさんを受け入れることが出来たんだと思うので、この小説家の存在は大きい。とわかっていても、うざったい存在でした。

人間と人間の出会いというものは、そこに恋愛感情とか特別の感情が付随しない場合でも、 あるいは関わった期間がどれほど長くても短くても、それには関係なく、人生にとってかけがえのないものになる場合があるということです。

私にはまだそんな出会いはないです。
これから、そう思えるような出会いが私にもあるのかなぁ。
私のことをそんな風に思ってくれる人っているのかなぁ。

恋愛感情とか特別の感情とか抜きでそういう人に出会ってみたいです。もしくは、トバちゃんのように59歳で全てを捨てられるくらい愛する人に出会ってみたい。いや愛する人はもういいや。友達がいい。女友達がいい。そして一緒に夢中になれるものが欲しい。

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