これが昭和のお弁当!!どか弁うめさんの「ザ・昭和弁当」

弁当が大好きです。
弁当ブログを見る(読む)のも、好きです。

最近、私が愛読している弁当ブログが本になりました。昭和を愛する「どか弁うめさん」のお弁当本『ザ・昭和弁当 』です。

どか弁さんのブログこれが昭和のお弁当!!は、なんというか、豪快だけど可愛らしくて、笑っちゃうほどユニークで、おもちゃ箱のような弁当なのです。

一目惚れをして、見つけたその日に、過去の記事も一気に読んでしまいました。最初は、ただ弁当の写真を見るのが楽しかったんだけど、そんなに多くを語らない、どか弁さんの日記を読んでいると、どか弁さんの人柄に惹かれました。

ブログを始められたきっかけは、亡くなったお母様の作ってくれた料理や思い出の味を弁当として記録したかったそうです。でも、生みのお母さんではないんですよ。(参考・両親への思い)。でも、血の繋がりなんて関係ないほど、お母さん思いなんです。

お父様も生みの父親ではありません。
でも、どか弁さんと似ていて情に厚く優しい感じのお父様。どか弁さんのブログを見たくて、どか弁さんに内緒でパソコンの勉強していた時は、もう微笑ましくて、画面に向かって「がんばれ〜」と応援しちゃいました。あやしいよね、私(^^ゞ。

でも、そのお父様も、去年、亡くなられました。寂しそうな、どか弁さんを見ているとほっとけなくて、(と言っても見てるだけの片思いなんだけど)、ブログだけで十分楽しませてもらっていますが、どうしても応援したくて、本も買わせていただきました。



表紙の裏にも可愛い弁当が並んでいます。
ブログで弁当を見るのも楽しいけど、本で見る弁当も楽しいです。
レシピ本というより絵本のような感じたけど、
本には材料やレシピも掲載されています。

私が作ってみたいのは、「たこさん弁当」「スイカ弁当」
「ベビースターラーメン弁当」「コーヒー牛乳の蒸しパン弁当」。
弁当箱を開けたとき、笑顔にしたいから。

でも、作ってもらいたい昭和弁は、「肉じゃが弁当」。
「肉じゃが」と「ごはん」だけの弁当なのに、豪華に見えるの。
愛があるからなんだろうなぁ。
弁当箱を開けたとき、愛を感じたいの。

4月3日




菊間千乃「私が弁護士になるまで」の感想

私が弁護士になるまで
著者:菊間千乃

「2014年は充実させるぞー」と決意してから早1ヶ月。毎日せかせか動いているのに、あれもこれもと焦るだけの1ヶ月でした。

これではいけない!このままだとあっという間に2014年が終わってしまう〜モチベーションを上げなくては〜と思い、頑張って弁護士になった菊間さんの本を読みました。

菊間さんの文章は読みやすくて、難しい話もわかりやすく書いてくれているので、私にしては早く、2日で読めました。

菊間千乃のことを知らない人はいないと思うけど、フジテレビのアナウンサーから弁護士になった人です。アナウンサー時代も波瀾万丈で、生放送中にマンション5階から転落し大けがをしたことがあります。

「私が弁護士になるまで」のプロローグより。

社会人にも門戸を開くといって始まった新司法試験制度のふれこみにつられて、2005年から大宮法科大学院大学という社会人向けのコースのあるロースクールに通っていたが、大宮ロースクールの1期生の合格率は43人中わずか6人だった。しかも、この新司法試験制度は卒業してから5年以内に3度しかチャンスがない。3回不合格になれば、もう試験を受けることすらできない。

私の友達に三振(3回不合格)した人がいて、明るくて前向きな性格だからよかったけど、それでもやっぱり心配で・・・多額の学費を払い、長い時間を費やし、三振するのは、想像以上に虚しくてつらかったと思います。

菊間さんは2度目の受験で合格しました。
その努力は半端なかった。

朝の6時に起床。
家で2時間勉強。
その後、学校の図書館で、9時30分〜23時まで勉強。
帰宅して24時に就寝。
1日の勉強時間は14時間。

なんなんだろう、この強い精神力と集中力は・・・。
本気で頑張るってこういうことなんだ、と何度も何度も感心しました。

未成年者を飲酒させた事件のことも書いてありました。
全番組を降板し、全国から非難が寄せられ、家に帰れなくなった日々、
あの針のむしろ状態から立ち直れたのは、
ロースクールで知り合った友達の支えがあったからみたい。
在学中も卒業後もみんなで励まし合って勉強してました。
同じ夢を持つ良き友人に出会えたことも合格に繋がったんでしょうね。

合格後は、司法修習所での研修。
忙しそうだけど、毎日がとっても楽しそう。
先の見えない勉強をしている頃とは違います。
充実しすぎて、自慢話に聞こえたりもするけどね(笑)

頑張った人にしか見られない景色。
あるんだろうな。

1月31日




「温室デイズ」を読んで思い出したイジメ体験

小説「温室デイズ」を読みました。
著者:瀬尾 まいこ

中学は荒れていた。
不良たちが我が物顔で廊下を闊歩し、
学校の窓も残らず割られてしまっている。
教師への暴力は日常茶飯事だ。

3年生のみちると優子は、
それぞれのやり方で学校を元に戻そうとするが・・・。
2人の少女が起こした、小さな優しい奇跡の物語。



元中学教師、瀬尾まいこの小説。
(温室デイズを出版したときは現役の先生)

イジメと学級崩壊の話でした。
温かいタイトルなのに重たい小説でした。

先生が書いた「いじめ小説」だからリアルなのですが、
中学生の体験談を読んでいるようなリアリティーがあり、
最初は苦しかったけど読み始めると止まらなくなりました。
心に痛みを感じながら一気読み。

主人公は中学3年生のみちると優子。
二人は小学校の時も学級崩壊を体験しています。
ある事がきっかけで、いじめの標的になってしまった優子。
優子を守ろうとしたみちる。

今度は、守ったみちるが、いじめの対象となってしまいます。
みちるへのいじめはどんどん陰湿化し、
耐えられなくなった優子は逃げることを選びます。
一人になったみちるは、耐えて耐えて耐えます。
地獄のような毎日から逃げません。

一人になりたくてなるのと、一人にされるのとはわけが違う。

自分の意思で逃げなかった、みちる。
私がみちるならどうするだろう?
今の私なら逃げるだろうな。
老い先短い人生。アホらしくてやってられない、と間違いなく逃げる。
でも、昔の、中学生の頃の私は、たぶん逃げないんだろうな。

私も、小学生の頃、クラスの男子に虐められました。
低学年だったから、よく覚えてなくて、
幸いなことに、腐ることなく、トラウマにもなってません。
ただ、母や友達から、100回くらい「あの頃は・・・」
と聞かされたので、忘れられない出来事にはなってます。

校内暴力が社会問題になっていた頃、私は思春期を過ごしました。
しかし、私が通った中学校と高校は、とても平和でイジメとは無縁。
イジメられたこともなければ、イジメたこともないし、
イジメを目撃したこともありませんでした。

どちらかというと学校より家庭のほうが荒れていたので、
私にとって学校や友人は有り難い存在でした。
友達がいてくれたからヤンキーにならなかったのかなぁと思う。

「朱に交われば赤くなる」という諺がありますが、
人間は、とくに10代は、環境からの影響を受けやすいです。
勉強する友達に囲まれたら、勉強に興味を持つようになるだろうし、
友達が悪い遊びをしていれば、一緒に遊ぶようになるかもしれない。

いじめられたら環境を変えるのは、選択のひとつだと思う。
それは大人になっても同じ。
1年、2年、3年と我慢し続けているのなら、変えていいと思う。
逃げられないこともあるけど、変えられるのなら変えていいと思う。

10月4日




半沢直樹「ロスジェネの逆襲」映画のキャスト

●読書感想文
ロスジェネの逆襲
著者:池井戸潤


ドラマ「半沢直樹」最終回の余韻に浸りながら、
続編の「ロスジェネの逆襲」を読みました。
「おらたち、熱いよね」 状態で読んだから一気読みしちゃった。

半沢直樹第3弾は、企業買収がテーマ。
東京中央銀行から東京セントラル証券へ出向を命じられてから
2ヶ月が経ったところから小説は始まっていました。

おもしろかったです\(^o^)/
買収劇もおもしろかったけど、
バブル世代を軽蔑しているロスジェネ世代の部下が、
バブル世代の上司・半沢直樹に懐いていくのがおもしろかった。

一気に懐くのではなく、少しずつ少しずつ懐いていくの。
やっぱり信頼関係は一夜にして築けるものじゃないよね。

世の中を儚み、文句をいったり腐してみたりする。
でもそんなことは誰にだってできる。
いつの世にも、世の中に文句ばっかりいってる奴は大勢いるんだ。
だけど、果たしてそれになんの意味がある!!


水戸黄門みたいな半沢節も健在。
ずっと堺雅人で読んでました。
もう彼以外、半沢直樹は考えられない。
渡真利忍は、ミッチー(及川光博)で読んだでしょ、
近藤直弼は滝藤賢一。
中野渡頭取は、北大路欣也が頭の中で動いてた。

新キャラである、
東京スパイラル社長の瀬名洋介はホリエモン、
電脳雑伎集団社長の平山一正は楽天の三木谷社長。
なぜか俳優ではない、お二人が私の頭を独占(笑)

フォックス社長の郷田行成は、誰も浮かばなかったんだよな。
誰がモデルかなと考えていたら読み終わってしまった。
ホワイトナイトに名乗りを上げるところは、SBIの北尾氏なんだけど、
郷田社長は北尾さんほどやり手じゃなかったからな。

演出の福澤克雄さんが週刊朝日のインタビューで、
半沢直樹の続編は、映画で作りたいと語ってましたが、
もし、続編があるとしたらドラマじゃなくて映画なのかな。

ロスジェネ世代の森山雅弘は誰が演じるんだろう?
森山繋がりで森山未来くん?ちょっと違うか。
向井理、小栗旬、田中圭、小出恵介はどう?
東京スパイラル社長の瀬名洋介もけっこう重要人物。
原作を読んじゃうとイメージができちゃうから難しい。

「ロスジェネの逆襲」の小説には、
金融庁の黒崎駿一と大和田常務は出てませんでした。
寂しい。香川照之とラブりんは、続編でも会いたいわ。

9月24日




せっせ&銀色夏生「衝動家族」を読んだ感想

●読書感想文
衝動家族「ばらとおむつ」完結編
著者:せっせ&銀色夏生

発売:2012/1/25

銀色夏生のお兄さん(通称せっせ)が書いた本。
脳梗塞で倒れた母親(通称しげちゃん)の介護記録を綴ったもので、シリーズ4冊目。

前半は、日本での介護記録(銀色さんを含む兄弟姉妹に母親の近況を知らせるため送っている通信記録)。そして、後半は、母親とせっせの二人だけのバンコク旅行記。

最近、バンコクへ行ってきたので、バンコクで読みました。

しげちゃんは、この空港を歩いたんだ。せっせは、このタクシー乗り場で迷子になったんだ。二人が宿泊したホテル(インペリアルクイーンズパークホテル)はここね。せっせが食べたセブンイレブンの「レッドカレーオムレツ」はこれかしら。せっせが写真を撮って注意された「サイアム・パラゴン」のフルーツ売り場はここね。辛いものが苦手なしげちゃんは、この「トムヤムクン」を食べて、号泣したのね。

などなど同じバンコクの空の下で、リアル感を感じながら読みました。
あっという間に読めて楽しかったのですが、しげちゃんが可哀想で。。。

何の説明もなく、空港に連れて行かれた82歳のしげちゃん。いつ帰国するか知らされてない突然のタイ旅行。旅費を浮かすため基本的に食事は一日一食。他人の10分の1の速度でしか歩けないしげちゃんが、文句言うことなく、杖をつきながらせっせの後をついて歩き、「急いで来て」と言うせっせに、「私は大丈夫。私はお兄ちゃんについて行くから、貴方は貴方の道を行きなさい」と答える。そんなしげちゃんが健気で健気で。

「どうしてそう悪い方へ悪い方へ考えるの?」と理解を超えるせっせの被害妄想が凄くて、恐ろしくなってきたけど、『しげちゃんも私も頼れるのはお互いだけ。(省略)2人とも、とてつもなく孤独なんだ』と悟る辺りで、いつ終わるかわからない介護にせっせも疲れてるんだな、と同情してしまいました。

母親と海外で暮らすのがせっせの夢。その夢を叶えるためはるばる宮崎から偵察にやってきたけど、現実はそう甘くなかった。うまくいかないことばかり。落ち込むせっせに、「この国もいい国だよ。そんなに苦しくなんかなかったわよ」と励ますしげちゃん。母親はやっぱり息子には優しい。

せっせの介護本は、今回で終わり。
銀色さんがその後出版した「つれづれノート21」に終わる理由を書いていました。

『今回で完結編ということにしたのだけど、それはせっせの旅行記を読み終えた時にそう思った。これは……、ここで終えるのがいいんじゃないかと。このまま続けると、しげちゃんがせっせにコロされる!とも思ったから。なにしろエスカレートしているせっせ。ネタを仕込もうとしているようだったので』

さすが、妹。さすが、娘。
身内じゃないと言えない。いや身内でも言いにくい。
さすが本音の銀色さん。
でも、ちょっと安心しました。深刻な感じじゃないのでよかった。

銀色さんの変わり身の早さはよく知っているので、「完結編」を撤回する日を期待してる。せっせの文章もすごく読みやすくなってきたし、なにより2人が好きだ。九州豪雨も心配なので早めに撤回して欲しい。その日を待ってるので元気でいてくださいね。

7月21日




ベストセラー「日本人の知らない日本語」の感想

●読書感想文
日本人の知らない日本語
著者:蛇蔵&海野凪子

発売:2009/2/18

ベストセラー作品であることは知っていました。
しかし、全く違う内容を想像し、敬遠していました。
でも、シリーズ累計が190万部を突破したと聞き、
「そんなに為になる本なのか」と読んでみました。

「為になる」というより「おもしろい」。
なんなんでしょう。このおもしろさは。
ゲラゲラ笑いながら読んじゃいました。

日本語のハウツー本だと勘違いしてました。
辞書みたいにダラダラ文字が並んでいるのかと思いきやそうじゃなかった。
開けてびっくり、エッセイ付き漫画でした。
しかも絵がでかい。字が少ない。
だからあっという間に読めちゃう。
でも、不満はなく満足度高し。
読み終わった後、思い出し笑いするくらいおもしろかったです。

物語の舞台は、日本語学校。そこで日本語を教える日本語教師(海野凪子先生)と外国人生徒たちの奮闘ぶりが描かれています。日本人なら深く考えずに使っている言葉に疑問を抱く外国人。そのマニアックな疑問と闘うように答えていく凪子先生。

そんなこと日本人の私でも知らないよ的な質問もあり、言われてみるとたしかに変な日本語も多い。読んでいる自分も生徒になった感じで一緒に楽しく学べました。文化の違いを学べるのもよかったです。この本を読んでいたら、あんまりにも楽しそうだから日本語教師になりたくなるんだけど、仕事になると大変なんだろうな。

最後に復習。マグロの数え方。
海の中にいる時は1匹。
海から吊り上げられた時は1本。
まな板の上で半身になった時は一丁。
さらに切り分けると一塊。
スーパーでパック詰めされると一冊。
最終的に食べる頃は1切れ。
まるで出世魚のように変わるマグロの数え方です。

7月15日




伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」の感想

●読書感想文
オーデュボンの祈り
著者:伊坂幸太郎

発売:2003/11/28

エッセイは、デビューしたての初期の作品が好きです。

初期の作品は、自分の得意分野や自分の拘りなど、
語りたいことを語り、生き生きしている感じが伝わってくるので、
読んでいる私も作家と一緒に一喜一憂できて楽しいです。

でも、小説は逆かも。
そんなにたくさん小説を読んでいるわけじゃないけど、
今まで読んだ作家でデビュー作がおもしろいと思った人はいません。

何冊も小説を書き続けられる作家は、才能あるので、
デビュー作もそれなりに面白いけど、
小説は書けば書くほど上手くなる気がします。
もちろん作家によって山も谷もあると思うけどね。



伊坂幸太郎のオーデュボンの祈りを読みました。
伊坂幸太郎のデビュー作です。

初めて読んだ伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」が、とっても面白くして、また彼の小説を読みたいと思っていたところに、伊坂幸太郎の小説は全て読んでいるという友達(まいちゃん)からお便りをいただき「伊坂幸太郎さんの本は、登場人物が違う作品に出てくることも多いので、出版された順に読むといろいろ面白い発見があります」と教えてもらいました。

初心者には、有り難いアドバイスです。
「それならデビュー作を読まなくちゃ♪」
と「オーデュボンの祈り」を買ったのは今年の1月でした。

あれから4ヶ月。
やっと読み終わりました。

4ヶ月、ずっと読んでいたわけではなく、最初の数頁を読んでは他の本に浮気してました。浮気を終えまた読んでみるんだけど、誰が誰だか忘れているから最初から読み直し、そしてまた浮気し、そんなことを繰り返した4ヶ月でした。

でも、読めるときは一気に読めるんですよね。
結局、3日で読み終わりました。

なんかさ、ずるいの。456頁あったんだけど、最初の300頁はホントつまんないの。終わりのほうで、主人公が、『「何がカカシだ」と笑い飛ばすだろう』とこれまでの出来事を振り返るんだけど、私も最初の300頁は、ずっと同じ事を思いながら読んでました。「何がカカシなのよ」と。

でも、300頁を超えた辺りからおもしろくなり、先が気になって止まらなくなり、「何がカカシなのよ」とあれこれ考えることもなくなり、カカシの世界にどっぷりはまっていました。「ゴールデンスランバー」と比べると満足度は低いけど、やっぱり伊坂幸太郎はただ者ではないと思った。早く、次の作品が読みたいです。

先月、石原都知事が尖閣諸島の購入計画を発表しました。それによって、尖閣諸島のいくつか島は個人の持ち物だと知りました。また、魚釣島には人間が持ち込んだヤギが繁殖していることを知りました。そして、魚釣島の灯台はそのヤギを持ち込んだ人達が立てたと知り、「オーデュボンの祈り」に出てくる「荻島」のことを思いました。

「荻島」は架空の島だけど、本当にこういう島があるんじゃないだろうか、と思っちゃうくらいタイムリーな時期に読み、そういう意味でも面白かったです。最後に、城山刑事は大嫌いだけど、彼がいたおかげでこの小説は倍楽しかったと思います。

5月7日




サラメシで紹介「おべんとうの時間」阿部夫妻

お弁当に思い出はありますか?
私はいっぱいあります。

長くなるので思い出話は省きますが、思い出を思い出しながら思ったのは、今は専ら弁当を作る側の人間になったけど、私のために弁当を作ってくれた人は母だけだったなぁと。

駅弁とか空弁とかを買えば、弁当を作ってもらったことになるかもしれない。でも、弁当の中身を知ってるのと知らないのではわくわく感が違うよね。

「今日のおかずは何だろう」とワクワクしながら開ける弁当箱。もう二度とあのワクワクを味わうことはないんだ。そう思うと、なんか寂しい。そう思うと、もっとちゃんと感謝しておけばよかった、と

おべんとうの時間を読みながら思いました。

この本は、お弁当にまつわるエッセイ本。
ANAの機内誌「翼の王国」に連載されていたものをまとめた本です。
NHKの「サラメシ」にも時々登場します。
Amazonのレビューも高評価。

この本を読んで、じーんとする人はどんな人なんだろう?
何歳くらいから、じーんとするんだろう?
若い頃にはわかんない思いが詰まっている感じがする。
少なくとも、母親に弁当を作ってもらっていた頃の私は、
じーんとしなかったと思う。だって当たり前だと思っていたもん。
自分が作るようになって有り難みがわかり、
思い出もたくさんできたから、じーんとしたんだと思う。

「おべんとうの時間」の本の中で
30年間、奥さんに弁当を作ってもらっている営業マンが語ってました。

弁当ってふたりで食べるものだと思うんです。
作る人と作ってもらう人のふたり。
作ってくれる人の気持ちは伝わるから、ありがたいなぁと思います。
そしたら、何も言えないです。


作る人と作ってもらう人のふたりで食べる弁当かぁ。
そんな風に考えた事なんてなかったなぁ。
もっと早く気づいていればよかったな。
自分が思わなかったことを思ってもらうのは、ずうずうしいけど、
私が作る弁当もそんな風に思いながら食べてくれると嬉しい。

「おべんとうの時間」の本には、39人の弁当が紹介されています。
写真は夫の阿部了さん。文章は妻の阿部直美さん。
夫婦で作った1冊だから、それだけであったかいです。

当たり前だけど、どれひとつとして同じ弁当はありませんでした。
そして、思い出も、弁当を作る人も、人によって様々です。
自分で作る人、奥さんが作ってくれる人、旦那さんが作ってくれる人、
母親が作ってくれる人・・・、母親の呼び方まで人によって違うんだよね。
今風だと感動したのは、彼女に弁当を作っている高校生。
高校生の弁当男子ですよ。

彼女のお弁当には必ず入っているものがあるの。
それは「ホウレン草」。
貧血気味の彼女の身体を気遣っているんだって。
なんて優しくて健気な彼氏なの〜と羨ましくなりました。

私もまだ諦めちゃだめかしら。
この先、更年期の身体を気遣って弁当を作ってくれる人が現れるかしら。
強制して作ってもらうのは嬉しくないから、自然と現れて欲しいわ。

4月30日




斎藤一人の「500年たってもいい話」感想

●読書感想文
500年たってもいい話
著者:斎藤一人

発売:2011/10/5

斎藤一人さんの「500年たってもいい話」を読みました。

宗教じみた本かと思っていたら、現実的。
なんか目が覚めてきました。

「お金」や「仕事」や「結婚」について、斎藤一人さんが一問一答形式で答えている本なんだけど、来る質問来る質問、一刀両断。

気持ちいいくらいぶった切ってくれます。
ひとりカッターの切れ味最高っす。例えば、

西に黄色い置物を置くとお金持ちになるとか、黄色い財布を持っているとお金持ちになると聞きました。そういう“お金持ちになること”はやったほうがいいのでしょうか?

それで気がすむならやりな。ただ、現実的にはお財布を買うお金で貯金したほうが確実にお金持ちになるよね。(省略)。ナントカグッズがあっても、それを買うより貯金したほうがお金持ちになるんだよ。売ってる人は、それを知ってるんだよ。(省略)。売っている人のほうが、ちょっと頭がいいかな。

私は仕事が早く、仕事の遅い同僚の手伝いをさせられることがよくあります。同じお給料で仕事の量が違うなんて不公平だと思います。そんな考え方は間違っていますか?

間違ってないけど、いやな性格だよね。
手伝ってあげればいいじゃない、仲間なんだから。


という感じでぶった切ってます。特別凄いことを言っているわけではなく、当たり前のことしか言ってないんだけど、答えがシンプルだから、複雑に考えすぎる頭の中を一掃してくれる感じ。

質問は全部で58問。薄い本なので1時間くらいで読めました。あっという間に読めるのも頭の掃除によかったのかもしれない。帯に「モヤモヤした悩みが一瞬で解決」と書いてあったけど、モヤモヤした気持ちは飛んでいきました。悩みはそのままだけどね(笑)

でも、どんな気持ちで行動するかで、結果は変わってくるものなので、モヤモヤした気持ちを吹き飛ばしてくれた斎藤一人さんに感謝です。

斎藤一人さんは高額納税者の常連さんでした。高額納税者公示制度は2006年に廃止になったので、今はどのくらいの税金を納めているかよくわからないけど、たぶん今でもたくさん税金を納めているんだと思います。ありがとうございます。

500年たってもいい話まとめ。
いいことが起こったときに感謝するのは、ふつうのこと。
嫌なことが起こったときでも感謝できるようになって、はじめて人生が変わる。
試練に立ち向かい、困難と闘っているとき、人間の器がわかるなり。

2月16日




有川浩「レインツリーの国」を読んだ感想

●読書感想文
レインツリーの国
著者:有川浩

発売:2006/9/28

有川浩の「レインツリーの国」は、先日、感想を書いた
伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」を読む前に読みました。

「伊坂幸太郎」がクラクラするほど面白かったので、
すっかり「レインツリーの国」のことを忘れてました。

でも、「レインツリーの国」も面白かったんです。
せっかく素敵な一冊に出会ったので「レインツリーの国」の感想も書いておきます。


名前だけを見て、ずっと男性だと勘違いしてた、有川浩さんの小説を読むのはこれが2冊目。名前だけでなく、小説を読んでもやっぱり男なんじゃないかと思ってしまいます。いや、男だったらいいなぁと思っているのかも。いや、女性が書くから、小説に出て来る男性が魅力的なのかもしれません。

「レインツリーの国」に登場する主人公の男性が、ちょ〜かっこいいの。
その格好良さは、ずるすぎるでしょ!ってくらいカッコイイ。
女子の気持ちがわからないようで、わかる男。
こんな男がいたら即効で惚れてしまいそう。

なんというか少女漫画に出てきそうな男子なのかな。
面倒くさがらず、ちゃんと向きあってくれて、
ぐいぐい引っ張ってくれそうなタイプなの。

でも、冷静になって考えると、私とは合わないんだろうな。私は追っかけるのが好きだから。追っかけないと燃えないから。強引な男性って頼り甲斐があって憧れるけど、適度な距離は欲しい。たまには見て見ないふりもして欲しいし、たまには突き放してくれないと息が詰まりそうな気がするんだよね。

でも、好きになったらそんなことは関係ないか。
関係なく突き進んでしまうのが恋だよね。

たとえこの恋がうまくいかないかもしれなくても、
お互い疲れ切って傷つけ合って終わるかもしれなくても、
それでも今は彼と一緒にいたい、
手を繋ぐなら彼がいいし、
キスをするのもすべてを許すのも彼がいい。


これが恋よね。恋の醍醐味。

「レインツリーの国」は薄い本で、登場人物も少なく、読みやすいので、あっという間に読み終わりました。ネットで出会った男女の恋愛を(しかもちょっぴり複雑なのに)これだけ爽やかに表現できる有川浩さんはかっこいいです。

1月19日




伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」の感想

●読書感想文
ゴールデンスランバー
著者:伊坂幸太郎

発売:2010/11/26

伊坂幸太郎さんの小説を読むのは初めて。
凄い。感動しました。

読後感は複雑なのですが、最近、読んだ小説の中では、一番面白かったです。読書というより映画を観ている感じで、読んでいる最中は楽しくて楽しくて。こんなに続きが読みた〜いと本を楽しみにする生活は久しぶりでした。

この本は、絵里ちゃんに教えてもらいました。彼女がツイッターで伊坂幸太郎がおもしろいと呟いていたのを見つけて、オススメの本を教えてもらったのです。

いつも一生懸命で可愛らしい呟きをしている絵里ちゃん。
小説もきっと可愛い小説なんだろうなと読み始めると、なんと『首相暗殺の話』。私が持っていたイメージとは真逆だったので、「え〜こんな話が好きなの〜」と驚いたんだけど、読み進めていくうちに、伊坂幸太郎さんの独特な表現や優しさに気づき、彼女が伊坂幸太郎に惚れる理由がなんとなくわかってきました。

昔、ジクソーパズルにはまった事があるんです。最初は500ピースくらいだったんだけど、500ピースでは満足できなくなりどんどんピースが増え、最後は3000ピースを作ってました。作るのは楽しいんだけど、問題は、完成したジクソーパズルが邪魔になること。家に置けなくなり、友達にプレゼントするようになり、だんだんもらってくれる友達もいなくなり、あきらめました。

伊坂幸太郎さんの小説って、ジクソーパズルに似てます。ジクソーパズルを完成させていくような面白さがあります。物語に隙がなく、小説の後半は、え〜あんなことが伏線だったの〜と驚くことの連続でした。おかげで、第二部と第三部は何度も何度も読み返し。構成だけでなく、話も面白いし、彼の小説を知らずに死ななくてよかったという感じです。

本当に完璧な小説でしたが、ひとつだけ満足できないことがありました。ネタバレになるから書かないけど、この小説以上のドラマチックな展開があるのかと聞かれたら即答します、「ありません」。なんだけど、どうにかして欲しかったです。

もし、昔の彼が容疑者になったら、私はどうするだろう? 絶対に彼は犯人じゃないと確信できたとしても、助ける自信はあるかな〜?かなり勇気が要ると思うんだよね。ましてや結婚して子どもがいて守るべき家族がいたとしたら、なおさら勇気が要ると思うんだよね。だから、もし主人公と同じ立場になって、私が容疑者になり、昔の彼が自分の無実を信じて助けてくれたら、その事実だけで有り難く暮らしていけそうな気もします。そう考えると、この小説は間違いなく「たいへんよくできました」なんだと思います。

この小説、映画化されてるんですね。堺雅人、竹内結子、吉岡秀隆で映画になってました。評価を見るとまずまず高く、音楽監督が「家政婦のミタ」の主題歌を歌った斉藤和義だと知り、ものすごく観たくなってきました。機会があれば映画も見てみたいです。

1月9日




阿川佐和子「スープ・オペラ」の読書感想文

●読書感想文
スープ・オペラ
著者:阿川佐和子

発売:2008/5/28

この小説は、ゆかさんからお便りいただき教えてもらいました。

阿川さんのような年のとり方がしたいなぁ〜
と思うくらい阿川さんの人柄が好きなのに、
実は、阿川さんの小説を読むのはこの本が初めて。

阿川さんってどんな小説を書くんだろう、と前々から気になっていたので、
その機会を与えてくれたゆかさんに感謝。ゆかさんありがとう。


この小説には、いろんなスープが登場します。
どれもこれも美味しそうなスープ。

感化されやすい私は、読み終わった後、スープを作りました。もちろん鶏のスープ(小説の中で一番存在感が大きいスープ)。気持ちは、トニーさんのように(トニーさんとは小説の中の人)、鶏まるごと一羽でスープを作ってみたかったけど、根性がなくて鶏ガラと骨付きもも肉で作りました。

鶏のスープでごはんを炊きカオマンガイも作りました。お野菜をいっぱい入れてお鍋も作りました。やっぱり料理は出汁だね。ちょっと手間をかけただけで美味しいです。でも、そのちょっとが普段は面倒くさいのであります(笑)

この小説を読む前に、阿川さんがクロワッサンに連載しているエッセイ「残るは食欲」を読みました。エッセイには震災三日後からの食生活の話が書いてあり(買いだめ騒動で苦労した事なども)、そこに「鶏のスープ」が登場します。

節約のため大量に作った鶏のスープ。最初は美味しくいただくが、数日後、鍋の蓋を開けると中からあやしい匂いが・・・。捨てようかと考えるが、被災した人々の顔が浮かび、捨てられない。捨てたらバチが当たる・・・。秘書に相談した阿川さんは、香辛料をたくさん入れてタイ風カレーに変身させます。そして、ひとりでは食べきれない量を作ったので、女友達を呼んでご馳走します(匂いがしてたのは内緒です)。友人達は「うまいうまい」と喜んで食べてくれて、『持つべきものは疑い深くなき友である』と悟る話。

そのエッセイを読んだ後に小説を読んだから、小説の主人公であるルイちゃんと阿川さんが重なって重なって。そっか阿川さんは友達とこんな距離感で付き合うのね、阿川さんは好きな人ができるとこんな風になっちゃうのね、と妄想しまくり。そして、しまいには、そんな風に諦めちゃうから結婚できなかったのかも〜などと大変失礼なことまで考えながら読んでいました。

そして、読み終わった感想は、年上の方に向かってまたまた失礼なのですが、阿川さんってやっぱり可愛い♪小説にまで上品でチャーミングな人柄が出てました。

ただ、ひとつだけひとつだけ難癖付けさせてもらいますと、小説家の話だけは苦痛でした。苦痛すぎて小説家が出てくると読むスピードが落ちるの。でも、この小説家がいなければ、年下の彼とは出会ってなかったし、この小説家がいたから、ルイちゃんはトニーさんを受け入れることが出来たんだと思うので、この小説家の存在は大きい。とわかっていても、うざったい存在でした。

人間と人間の出会いというものは、そこに恋愛感情とか特別の感情が付随しない場合でも、 あるいは関わった期間がどれほど長くても短くても、それには関係なく、人生にとってかけがえのないものになる場合があるということです。

私にはまだそんな出会いはないです。
これから、そう思えるような出会いが私にもあるのかなぁ。
私のことをそんな風に思ってくれる人っているのかなぁ。

恋愛感情とか特別の感情とか抜きでそういう人に出会ってみたいです。もしくは、トバちゃんのように59歳で全てを捨てられるくらい愛する人に出会ってみたい。いや愛する人はもういいや。友達がいい。女友達がいい。そして一緒に夢中になれるものが欲しい。

11月29日




吉田修一「おんなたちは二度遊ぶ」の感想文

●読書感想文
女たちは二度遊ぶ
著者:吉田修一

発売:2006/3/25

昔、好きだった人の誕生日って覚えてますか?

私は、覚えている人もいるけど、
忘れている人もいます。
おかしいなぁ、あんなに好きだったのに。

初恋の人(片思い)の誕生日も忘れてます。
何月生まれだったかも思い出せない。
昔過ぎるから?おかしいなぁ、あんなに好きだったのに。

吉田修一の短編小説「女たちは二度遊ぶ」を読みました。
過去の女の物語。11人の女性が登場します。

過去を思い出している設定なので「覚えてないが」とか「記憶があるのだが」とか「今ではもう思い出せない」などという言葉がよく出てきます。なぜかこの言葉が出てくるとイライラして「覚えてないなら語るんじゃない」と思ってしまうのですが、「覚えてない」という言葉は謙遜しているとしか思えないくらいリアルで、昔のことをよく覚えているんですよ。

男性の恋愛は「名前をつけて保存」
女性の恋愛は「上書き保存」


という誰が言ったかわからない名言があるけど、男性は、過去の女を「女たちは二度遊ぶ」の小説に出てくる主人公のように、はっきり覚えているもんなんでしょうか?私が好きだった男も、私の誕生日は覚えていてくれるのかしら?

元彼が私をどんな風に記憶しているのか、興味はあるけど聞くのは恐い。なんとなく私の記憶と一致してなさそう。そんなことあった?という事も多そうだし、それは違うでしょ!という事も多そう。できたら私のことは美化していて欲しいな(笑)


小説は、めいちゃんも言ってたけど、淡々としてました。おもしろいといえばおもしろいし、おもしろくないといえばおもしろくないかも。「十一人目の女」だけが、他と違い「悪人」風でおもしろかったけど、一番好きなのは「最初の妻」かな。「公衆電話の女」は昔を思い出して懐かしかったです。

この小説を読むまですっかり忘れていたけど公衆電話。
公衆電話には私も思い出がたくさんあります。
もしかしたら携帯電話の思い出よりも多いかも。

高校生の時、家の電話だと親に話を聞かれるので、わざわざ公衆電話から掛けたことがありました。大学生の時、住んでいた寮の電話は赤電話。しかも10円玉しか入らない。市外電話になるとアホみたいに10円玉が必要になるので10円玉は貴重でした。お金がなくなり途中で電話が切れると何とも虚しい気持ちになるの。だから10円玉は大事に大事に貯めていました。

100円玉が入る公衆電話が登場したときはすごく嬉しかったです。でも、100円玉を入れたときに限って短い電話だったりするの。そんな時は凄く損した気分に。マーフィーの法則みたいですよ。

それから、この小説の主人公と同じように電話ボックスに並んでイライラしたこともあったし、話している最中に「早くしろ」と怒鳴られたこともあったな。なんか思い出すと他にもいろいろ思い出して懐かしい。電話ボックスでしゃがみ込んで泣いたこともあったし、10円玉が足りなくなって見知らぬ人に借りたこともありました。全て若い頃の思い出です。だからか余計懐かしい。若さと同じで、もうこんな経験は二度と出来ないんですね。しみじみ。

「女たちは二度遊ぶ」という意味深なタイトル。
どうしてこのタイトルを付けられたのか気になっていたんだけど、結局、読み終わってもわかりませんでした。現実で遊んで、過去を思い出して遊んで、「おんなたちで二度遊ぶ」ならわかるんだけど。なぜ思い出される女が遊ぶのか。それとも、もて遊ばれたという被害者意識でもあるのかしら。

10月23日




吉田修一「7月24日通り」の読書感想文

●読書感想文
7月24日通り
著者:吉田修一

発売:2004/12/21

この小説はめいちゃんに教えてもらいました。

読書前にめいちゃんから頂いた情報その1。
『本当に、「悪人」を書いた吉田修一さんの作品なの〜』
読書後の私、
『ホントホント同じ人が書いた小説とは思えな〜い』と納得。

読書前にめいちゃんから頂いた情報その2。
『恋愛の主人公になれない女の子の葛藤を描いた小説です』
読書後の私、『上手にまとめるなぁ』と感心。

それなりに修羅場はあったけど全体的に爽やかな小説でした。
なんせドロドロの「八日目の蝉」を読んだ後だったから、
余計ね、可愛らしく思えました。

以前、教育テレビで女性脚本家(大石静×中園ミホ×田渕久美子)の対談が放送されていて、その対談中、3人が口を揃えて「男性脚本家が書く女性ってファンタジーよねぇ。実際の女性はあんなこと言わない」と熱弁していたんだけど、「八日目の蝉」と「7月24日通り」を読み終わり、その対談を思い出しました。たしかに、《女性の作家が書く女性》と《男性の作家が書く女性》は違う。その逆もまた真なり。

主人公は、地元の短大を出て、地元の企業に就職し、
実家で暮らす独身女性。
私とは真逆。
故郷から遠く離れて暮らす私とは真逆の人生。

私は高校2年生まで地元志向でした。東京や大阪のような大都会は旅行で行くところであって、田舎者の私なんか住む所じゃないと思っていました。地元の大学を卒業して、地元の企業に就職して、地元で恋して結婚して、死ぬまでここで暮らしていくんだと思っていました。なのに、今や大都会のど真ん中で暮らしています。かれこれ○○年も大都会に住んでいるのに、未だに分不相応な場所で暮らしている感が抜けません。なのでどちらかというとネーミングなんてしなくても、いつもリスボンで暮らしている感じ。

自分の人生を振り返ると、これまた主人公とは真逆で冒険だらけ。友達からは一応「強いよね」というような誉め言葉はもらうけど、同じように心配もされるので、きっと呆れているんだと思う。もし、最初の人生設計通り地元で暮らしていたら、私も平凡な人生を送れていたかしら。でも、たぶん、主人公と同じようなコンプレックスを持つんだろうな。そして、きっと無難な道を選んできたことに嫌気がさし、エイっと冒険がしたくなるんだろうな。

主人公は高校時代に憧れていた男性と再会します。実は私も再会済みです。不思議なもので両思いだった人とは会いたくないんだよね。片思いだったり、私のことを振った人に会いたくなるの。不完全燃焼だったからなのかなぁ。

人生で片思いは一度きりです。
その人と12年振りに再会しました。
会って良かったのは満足できたこと。
つまり、もう完全に終わった恋なんだとハッキリわかったことです。
過去は美化されるって本当ね。
どうして好きだったのか謎すら感じました。
美しい思い出は美しいままにしておけばよかったなぁ
とちょっぴり後悔した再会でした。

小説の話に戻りますが、ちょっと不完全燃焼。だって、面白くなりそうなところで終わるんだもん。気になるじゃない。子どもを産むのか、亜希子が絡んでくるのか。でも、この小説のコンセプトは自分を変えることだもんね。そういうドロドロは本筋ではないんだよね。

追伸.途中まで梅木さんと同じく小百合と安藤さんは不倫していると思ってました(笑)

9月9日




角田光代の小説「八日目の蝉」を読んだ感想

●読書感想文
八日目の蝉
著者:角田光代

発売:2011/1/22

おもしろかった〜。
ドラマを見て、映画を観て、最後は小説。
この順番以外、知らないけどこの順番で満足。

しかし、全てを制覇すると、「どんだけ八日目の蝉が好きやねん」と自分で自分に突っ込みたくなりますが、それほど好きな世界でもないんですよ。気が滅入ってくるので。なのに、気になってしまうのは、私が女だからでしょうか。

ドラマを見て、映画を観て、起承転結の全てを知っていても、読みたくなる小説でした。途中で止められなくなり、私にはしては珍しく1日で読んでしまいました。

小説より先にドラマと映画を見ていたので、
ごく自然に希和子が動き、薫が動き、小豆島の景色が浮かびました。

橙の夕日、鏡のような銀の海、丸みを帯びた緑の島、田んぼの緑に咲く真っ赤な花、風に揺れる白い葉。。。醤油の甘い匂いの中で、幸せそうな母と娘が、くっきりはっきり私の頭の中で動き回っていました。

ちなみに、希和子はずっと檀れいでした。小さい頃の薫は小林星蘭ちゃん。大きな薫は井上真央。小説の前半は、ドラマが動き、小説の後半は映画が動き、ドラマや映画で観た景色を思い浮かべながら読んでいました。映画とドラマを先に観た醍醐味です。

小説は、ドラマや映画よりも、淡々と語られている感じがしました。ドラマでは希和子が逮捕される瞬間が一番盛り上がり、映画では希和子と薫が写真館で写真を撮る瞬間が一番盛り上がっていましたが、そのどちらも小説では淡々と語られ、小説は事件の記録を読むような感じだったので、映画やドラマほど感情が揺さぶられることはありませんでした。

だけど小説には、ドラマや映画では描かれていないことが多々あり、そんな過去があったんだ、そんな事情があったのね、と新しい発見が面白かったです。例えば、エンジェルホームのエンジェルさんも、この事件で懲役八ヶ月、執行猶予二年の有罪判決を受けていたことや薫の実の母親である恵津子も不倫していたことなど。

作者である角田光代さんはインタビューで、創作の源は《常識といわれる事柄》に対する「怒り」と「疑問」から生まれると語られていました。「八日目の蝉」の場合は、「女性は子どもを産めば、誰にでも母性が生まれる。産まない女性には、母性が無い!」という常識を覆したかったらしいです。(私的には、そんな常識があったことに驚きなのですが・・・)

だからなのか、小説に出てくる実の母親は、最低な女でした。不倫はするし、娘にはつらくあたるし、ご飯は作らないし、掃除はしないし、夜遊びはするし・・・。明らかに、誘拐犯である希和子の方が愛情を注いでいました。希和子に感情移入するよう計算された人物設定なんだろうけど、それにしてもあんまりな描かれ方。

でも、本当に恵津子(実の母親)のような人がいたとしても、私は「あなたは最低な女ね」とは責められないな。可哀想な人だと思う。夫も娘も自分の所に帰ってはきたけど形だけ。心は憎き女に奪われたままなんだもん。娘から愛されないのは辛いと思うよ。愛されるように頑張って欲しかったけどさ。

一緒にご飯を食べる人がいて、一緒に笑って、たまに喧嘩して、そんな日常がとても幸せなことだと思える小説でした。自由に生きられるようになった分、普通に生きるのは難しくなったよね。

9月3日




角田光代「予定日はジミー・ペイジ」の感想

●読書感想文
予定日はジミー・ペイジ
著者:角田光代

発売:2010/7/28

誕生日の本(←小説に出てくる架空の本です)によると、
誕生日には「地味な日」と「派手な日」があるらしい。

私は間違いなく「派手な日」の生まれ。

世界中から愛された大女優、大物政治家、
超人気があったアイドル歌手などが生まれた日で、
他にも活躍された人が多数いて、その名前を眺めているだけで、
私って凄い才能を持っているのではなかろうか、
と大きな勘違いをしそうな誕生日。

角田光代さんの「予定日はジミー・ペイジ」を読みました。世界三大ギタリストとして名高いジミー・ペイジの誕生日に出産する予定である妊婦の記録。「性交」から始まり、「陣痛」で終わる、十月十日の物語。

小説は、そのほとんどがフィクションです。作家の想像力によって作り出された架空の世界であります。と頭で理解はしていても、あまりにもリアルだと「この話は実体験じゃないの」なんて勘ぐりたくなることがあります。

予定日はジミー・ペイジもそんな小説でした。
小説というより日記みたいで、
だから、最初は角田さんの実体験なのかと思いました。

しかし、私の記憶が正しければ、角田さんは「子どもは欲しくない」と仰っていて、でも、人の気持ちは変わるから、結婚して気が変わったのかしらん、と読み始めましたが、やっぱり気になるので、途中をすっ飛ばし、最後のあとがきを読むと、やはり角田さんは妊娠してませんでした。

小説を読むつもりで買ったけど、なんだか騙された気分になった勝手な私。ただ、不思議なのは、「八日目の蝉」を読んでも、角田さんが赤ちゃんを誘拐したとは思わないのに、なぜ「予定日はジミー・ペイジ」は、角田さんが出産したんだと勘違いしてしまうんだろう。

一番目は、この小説には日付が付けられ、日付順で書かれていたからだと思う。二番目は、「八日目の蝉」のような特異な話ではないからだと思う。三番目は、主人公が妊娠したことを喜べなかったからだと思う。三番目がとくに角田さんらしさを感じて、勘違いしたのかもしれません。

なので、読み終わって改めて感じました。経験がなくても、これだけのものが書けるなんて、やっぱりプロの仕事は違うなぁと。表現だって美しいもん。私が書くような陳腐な日記じゃないもん。

たとえば、海を見たときは、「海が広がっている。広がっている、というより、もりあがっているというのが近い。平皿にこんもりと盛りつけられたごはんみたいな海である。表面が炊きたてごはんみたいにつややかに光っている」と表現し、たとえば、太陽を見たときは、「東に林立するビルのてっぺんから、じりじりと橙の太陽がのぞかせ、やがて全体が姿をあらわす。さっき橙だった太陽は、ビル上部にのぼったとたん白くなる」と表現。こんな風に書いたことないし、書けないもん。

この小説、最初は、朝日新聞に掲載された短い小説だったそうです。新聞に掲載されたときは「掌編小説」とちゃんと書いていたそうですが、角田さんが出産したのだと勘違いした人達からぞくぞくとお祝いのカードや花が届いたそうです。妊娠による体調や心の変化は、妊婦によって千差万別。といっても、《一日中ずっと、ものを嘗めたい衝動とたたかって過ごす妊婦》なんて会ったことも聞いたこともありません。でも、この小説を読んでいると、嘗めたい妊婦さんもいるんだろうなと信じちゃうほどリアルなのです。だから、勘違いしてお祝いを贈った人の気持ちがよくわかります。

角田さんの小説に出てくる男性は苦手です。そんなにたくさん読んでいるわけじゃないけど、印象に残らない人も多いくらい。でも、「予定日はジミー・ペイジ」に出てくる夫くんは好きです。肉食と草食の中間くらいの男で、いい奴なのよ。やっぱり結婚するなら優しい人がいいよ。先は長いんだから大事にしてくれる人がいいよ。わがままに振り回されるより、わがままが言える相手がいいよ。としみじみ思いました。

子育ては男もできるけど、出産は女にしかできないこと。
母性の塊のような妊婦もいれば、小説のようなダメ妊婦もいて、人の数だけ妊婦のドラマがあるけど、ただ、共通して言えるのは、十月十日は、母親のお腹の中にずっと一緒にいた時間で、自分の誕生日は、母親がすごく頑張った日であることは間違いないんだよね。

7月20日




有川浩の「阪急電車」文庫本の解説は児玉清

●読書感想文
阪急電車
著者:有川浩

発売:2010/8/5

おるしろかったぁ。
いやぁ、映画化される小説は裏切らないですね。
夢中で読んでしまいました。
この本を紹介してくれた優夢さんに感謝。ありがとうね。

実は、初めて読む小説家は苦手なのです。
なんというか、作家が持つリズムに乗れなくて読み始めで苦労するので。

有川浩さんの小説を読んだのは初めてでした。
最近まで彼女のことを男だと信じて疑わなかったほどの無知ぶりです。
なので「阪急電車」もそうでした。最初は読みにくかったです。

でも、でも、20ページで私のハートはぎゅっと鷲づかみされてしまいました。

しかし、その胸きゅんは長くは続かず・・・。
だって、短編だから、21ページで終わってしまうの。

「阪急電車」は短編小説なんだ、とちょっとがっかりしながら改めて目次を見ると、最後の章に同じ駅(宝塚駅)を発見。もしかしたら、国際的ネズミのバックを持つ彼女と彼の話の続きが読めるかも〜と254ページを開けると予想通り彼と彼女の名前も発見。二人がどうなったか気になる〜読みたい〜衝動に駆られながら、やはりそれは作家に失礼なので、次の駅(宝塚南口駅)に私も進みました。

次の駅(宝塚南口駅)を読み終わり、
最後の駅(宝塚駅)を読まなくて良かった、
と本気で本気でほっとしました。

「阪急電車」すごいです!

短編小説なんだけど、短編小説じゃないんです。駅と駅を繋いで走る電車が、「全くの赤の他人の人生」と「全く赤の他人の人生」を繋いで走るんです。そんな偶然が何度も重なるんだろうかと思わせないほど美しく繋がっていきます。

また、前半の片道はたった一日の話なのに、50年分の人生がぎゅっと詰まっていて、縦にも横にも前にも後ろにも想像が広がっていくそんな小説でした。

私もその電車に乗っていたような気分で読み終わり、すっかり阪急電車の登場人物達に愛着を感じてしまい、読み終わった後も彼ら達のこれからの人生を考えていました。

白いドレス女とDV女は、きっといつか「あの時のあの人」だったことをお互いに知る日が来るんだろうな。自分が全く知らないところで、別れるきっかけを作ったしまったことを知るとき、白いドレス女は何を思うか知りたい。図書館のふたりがちゃんと結婚できるのかも気になるし、女子高生が看護師の仕事を好きになれるのかも気になる。

だけど、このくらいで終わるのがちょうど良いんだろうな。読み終わった後も想像が無限に広がるところもこの小説の魅力だと思うから。この辺りのバランスも実にうまく計算されているんだと思う。やっぱすごい。

阪急電車は、昔よく乗っていました。思い出を語るとすごく長くなりそうだからやめるけど、今は全く乗る機会がなくなり、次はいつ乗れるかわからないので、なんだか悔しいです。あの頃、この本に出会っていたらもっと楽しく読めたのにとアホなことを考え、今すぐ小説の世界を阪急電車に乗って味わえる人のことを羨ましがっています。

でも、今、私がよく乗っている電車にも魅力がたくさん詰まっているかもしれないよね。まだ降りたことのない途中の駅に、小林駅のようないい駅があるかもしれない。乗れない阪急電車を羨ましがるより目の前にある電車や駅を観察するほうが楽しいかもと思うことにしました。

映画「阪急電車 片道15分の奇跡」も観たいですね。芦田愛菜ちゃんがさんまのまんまで映画の番宣をしていたのがとっても可愛かったし。彼女が何の役をするのかは知らないんだけど、犬のおばあちゃんの孫だよね?中谷美紀は白いドレスの女。まさか女子高生や女子大生の役ではないよね。ふふふ想像するとなんか楽しい。

文庫本の解説は児玉清さんでした。最後に「俳優」と署名してました。すごく大好きな俳優さんだったので切ない気持ちに。年を重ねるごとにダンディさが増していった児玉清さん。父親くらいの年齢だけど、全然恋愛対象でした。美しい日本語で書かれた解説文を読んでまたしても胸キュン。彼が残してくれた文章ももっと読んでみたいです。

7月10日