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みーたんさまへ  (あーたんより)
IP: 126.54.24.165
思い出に仕舞うには
勿体ないくらい
すてきな恋だったんです。


君がもしもこの手紙を見つけたならば、
見なかったフリをして、
これからはわたしのことも、
見なかったフリをしてね。



今日、クラス替えがありましたね。

毎年のことながら、私は春に嫌われているようでした。 
貼られた紙、私の隣に書かれた番号と、あっけなく違う君の横の番号。

言葉を失いました。

今年は、今年こそは、今年だけは。
そう思っていましたから。

たったの一年間、と言われればそれで終わってしまいます。
私にとっては、去年が、一昨年が、その前の年が、どれほどあっけなくてあまりにも長い時間だったか、きっと私以外の誰も知らない。

君は、どうだったのでしょうか。
私と少しでもなれればいいなと思ってくれていましたか。

私とクラスが違うことなんて、
私と校舎が違うことに対して。
きっと、私ではなく、他のことに夢中である君は何も思ってくれていないでしょうから、私は、生まれ変わることに決めました。

今年、神様が私の願い事をきいてはくださらなかったら、君との思い出をすべてすてようと決めていました。
それは私にとって、やすい賭けではありませんでしたよ。

去年は、
君と出会えた年と同じくらい、大好きな年です。

君はいとも簡単に忘れてしまう、そんなただの日でさえ、
私にとっては、忘れられない特別な日です。

きみにとってただの友達になれたことが嬉しくて悲しかった。 

私は怖かったです。
来年には、
今年に戻りたいと思っている自分がいたらどうしようって。
出会ったときに戻れた気がして、
出会ったときみたいに幸せになれた気がしたから。


私のメールアドレスにはいっている0704という数字、
7月4日が何の日なのか、君は覚えてないでしょう。
絶対覚えてないという確信があったから、
わざとらしくいれました。

できるなら、
もしも本当に神様がいたなら、
もしも過去に戻れるタイムマシンがあったなら、
私は迷いもなく、7月4日に飛んでいく。

君の心のどこにもない、
もう消えてしまった7月4日は、
私にとって一番手の届かないところにある
一番ほしいと思う日です。

どうか忘れていてください。
きっと私も忘れますから。


君に読まれなかった文字がたくさんあります。

君に届けられなかった気持ち、
本当はずっと続けていた日記も。

君が知らなかったことがたくさんあります。

今でも悲しいくらいにすきだったということ、
頭の中が君で埋め尽くされていたことも。


全部、いつか思い出となって
夢のようになりますように。

それは、
私にとって
とてもとても悲しくて怖いこと。

本当は、
この甘くて苦く酸味のよくきいた私と君の関係を
ずっとつづけていきたいと思っている私が
君を好きな恋心のどこかに在ります。

特別な名前も、日記に何度も書かれた君の名前も
全部、消えてしまうのが怖くて怖くてたまらなくて。
悲しくて寂しくてたまらないのに。


あらためて見つけなければいけないことが、向き合わなければいけないことが、私にはたくさんありました。

目を背けて、見たくないものは見えずにいた、
私はずっと前に進めない。
たったの一歩も踏み出せず、歩こうとすらしなかった。


いつか、また。
いつか、また。
きっと。

いつかまたきっと君の隣で笑えると、
いつかまたきっと私の隣で笑っていると、
幸せすぎる夢を恋い焦がれて待ちわびていた。


どうして、こんなにも
前に進めなかったのかわからなくて。
こんなに、もう、3年も、4年も、
時間は流れたはずなのに。

なにも
なあんにも
変わってない。

君はずっと見えないような遠くにいるのに
手に入るはずもないのに
どうして、夢を見続けてしまったのかな。


どうして、こんなにも好きだったの。
どうして、こんなにもまだ好きなの。


春が嫌いなまま、
夏が嫌いなまま、
あの頃一緒に笑っていた
君を思い出すたび胸が苦しい。

どうか嫌わないで。
もう構わないで。

今の君はもう好きじゃない
なんて嘘ついた。
君は君のまま。
変わったのは、君の心だけ。


君が呼ぶわたしの名前がすきでした。
わたしの名前を呼ぶ君の声がすきでした。

そんな
当たり前だったはずの小さな幸せでさえ
私にはどれほど大きいものだったのか思い知ったよ。

もう二度と、
私のことを名前で呼んではくれないんでしょう?

君に名前ですら呼んでもらえなくなったとき、
本当はすごく悲しかった。
そんなの、君の勝手なのに。

こんなにたくさん書いたのに
伝えたいことは
知っておいてほしいことはまだまだあって
だけどうまくまとめられないや。


もう言葉にして伝えられない。
このラブレターは君には読んでもらえない。



どうかもう私に構わないで。
さようなら。


来年の春は、
きみを
深く感じていませんように。