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告白してくれた君さまへ  (wakuより)
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君に恋をしたのは、去年の学園祭。
吹奏楽部の君の相棒は、金色ピッカピカ、バリトンサックス。
テニス部のわたしの相棒は、汚れた黄色のテニスラケット。
接点はなかったね。0だった。
クラスが同じなのに、一度も話した事のない男子。
それなのにわたしは、君に恋をしました。
君の吹いた音の、魔法にかけられてしまいました。

君に振り向いてほしくて、何でもやった。
挨拶は欠かさなかったね。
部活前に『がんばって』の一言を言って、
『うん、そっちも』の一言が返ってくるのが、
楽しくて楽しくて仕方なかった。嬉しくて、たまらなかった。

毎日が、それなりに幸せだった。
がんばって声をかけて、たまに二人で一緒に帰った。
その途中、渡したアドレス。
すぐに返ってきた君のメール、デコ絵文字ばかりで笑えたよ。
可愛いなあって、思ったよ。
わたしが好きだったのは、格好いい君だけど。

最後の席替え。
祈りに祈った。全身全霊で、お願いした。
君はわたしの前の席で、同じ班になった。
何かが通じたのかな?
本当に、本当に楽しかった。
わたしたちは、
朝行ってから帰りの会まで二人で話すほどの仲になったね。
メールもすぐ返ってくる。
二人で帰る回数も増えたね。
期待しちゃったよ。
送別会のとき、手伝ってくれてありがとう。
6時過ぎまで二人で作業してたよね。
帰りは、他愛ないことばかり話して歩いた。
まるでカップルみたいだと、
わたしは沢山の友だちに怒られた。
やめてよー、と笑う表側。
そうなのかな、って期待する裏側。

告白したのは、クラスが終わる、二日前。
君は言った。

好きな人がいるんだ。
友だちとしては大好きなんだ。
だから、これからもよろしく。

そう、言った。
返せたのは、そっかってことだけ。

できるだけ、自然体でいようと思った。
この日を選んで正解だったと、次の日に思った。
今日で終わり。
そう思ったら、テンションが上がったから。
君とはいつも通り、笑いあえたよ。

わたしは君を、諦めました。
桜が散り始めた頃、同じクラスになった君が、
去年と変わってしまった事に気がついたから。
案外、かんたんにすんなり諦めがついた。

どうして、告白してくれたの?
わたしに告白する前に、あの子にも告白したんだって?
それはいいの、別に気にしていないから。
でも、どうして?
去年だったら間違えなくOKしていたのに。
わたしの脳はもう、君を友だちとしか認識しない。

ごめんね。ごめんね。ありがとう。
さようなら、の方が合っているかな。
さようなら、恋した君へ。

明日からも、友だちだよ。
大好き、これからもよろしくね、わたしの友だちの君へ。

わたしはまた恋をします。
新しい恋、
新しいあなたへ向けて、こんにちは。

次はわたしの声が、あなたに届くといいな。