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Mさまへ  (Sより)
IP: 118.6.222.52
俺はきっと死ぬ瞬間までわすれないだろう
15年ぶりに2人で過ごしたあの日

久しぶりに聞いた声

忘れかけていた
少ししゃがれた暖かい声

笑顔は変わってなかった
まぶしすぎた、うれしかった

目と目があった時
きみの目は昔より少し冷たくなった気がした
それはきっとたくさん辛い思いをしたせいかな…

それでもきみの目は
俺にとって世界一きれいで、
いつまでも見つめていたかった

昔2人で何度も聞いたミスチル
ライブで隣にいる間、
俺はずっときみを意識していたよ

チケットが余った、なんて嘘だよ
きみがいきたい、っていったあと
俺はドキドキしながら
大急ぎで抑えたんだ

金なんてどうでもよかった


本当に不思議だよ

こんなに忘れないなんて

疲れて、クタクタに疲れて
家に帰った夜は、
ふと思い出してしまうんだ

癒しがほしくなったとき、
一番はじめに心をよぎるのはきみの笑顔
聞こえてくるのはきみの声
思い出す感触

俺だってわからない

なんでこんなに俺の心がきみで満たされているのか

過ごした時は決して長くないし
もうずっと昔の話

それでも俺の心に深く深く、
刻み込まれているきみの面影

愛しい気持ちは時が過ぎても
誰と過ごしても変わらなかった

本当の俺
素直な俺になってもいいなら…

それが許されるのなら

俺は誰よりもきみを優しく抱きしめて、眠りにつかせてあげられるのに

俺以上の適任は、きっといないって、バカみたいだけど俺は信じ切っている

俺ほどきみを深く愛している男は他にいないから
いまでもきみの帰るべき場所はここだって、俺は思っている

もう一度帰ってきてほしい

けど、
きみはきっとこない
俺はきみのことをよく知ってる

まっすぐで
頑固なほど義理堅くて

あの日きてくれたのは、
本当に何かを吐き出したかったんだろう

いまの人に黙って
過去の男である
俺からの誘いに乗るなんて
本当にきみらしくないから

2人で15年ぶりに歩いた懐かしい地元の道

永遠に隣で歩いていたかった

きみの実家の前まできた時、
あのスキに本当は
俺はきみを奪い去らなければいけなかった

あの数分が15年間で
ついに訪れた唯一のチャンスだったのに

バカだった

そんな何か不消化な
あわい後悔を残しながら
俺はときどきあの夜を思い出す

最後に

今日はありがとう

って、背伸びしながら
俺の首に手をかけたきみ

なでた髪の感触が
いまでも掌に残っている

遠慮がちにかわしたキス

すべてが今じゃ夢のようで
それでいて、
目をつぶればいつでも蘇ってくる

俺は死ぬその時まで
きっと忘れることはないだろう

あの夜のきみのきれいな笑顔を