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Springさまへ  (LALAより)
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君を好きだったことが、もう遠い昔のように感じられる。
いつか届くと、
いつか一緒に笑える日がくるんじゃないかと、
いつか君がわたしの隣にいてくれるんじゃないかと、
そう願い始めていたのは、
もう、一年近く前の事なんだね。
君がわたしを避けるのは、仕方のない事なのかな。
そうなんだよね。
もう、あの頃の、親友の時代には戻れない。

あの頃は、
君からくるメールが、楽しみで楽しみで仕方なかった。
男にしては珍しくて、少し長文のメールを、
わたしはじっくりと読んでから、
大切なのは保護までかけて、たまに読み返したりして、
返信を書いた。
君の一言一言、うれしかった言葉をいちいち、日記にメモした。
君と遊んだときの君の笑顔も、
君がわたしにくれたたくさんの会話も、
君と過ごした中でもらった宝物の一つとして、
今はわたしの胸の片隅にひっそりと佇んでいるよ。
夜遅くまで、わたしの仕事に付き合ってくれたあの日、
思わず言ってしまいそうだったんだ。

後悔はしてない。
君を好きになった事を含め、君に告白をしたことも。
実らなかった恋。
諦めを着けるのが早かった?
わたしは待ったよ。
十分、待ったでしょう?

君と再び出逢ったのは、一ヶ月ほど経った春の日で、
桜はまだ少ししか咲いていなくて、
わたしはすうっと息を吸い込んで、君に言った。
"おはよう" "おはよう"
君の顔と、わたしの顔は、同じに見えて、きっと違った。
あの頃より、君は随分と大きくなっていて、
あの頃は同じに見えていた景色も、
きっと君の目から見たら、違っていたのだろうと思う。
もっと君を分かっていたつもりだったけど、
それは理想で、現実ではなかったんだね。
君とわたしは、似ているようで、全然違う人間だってこと。

それは、春の暖かな陽射しを浴びながら、
長い休みの中でわたしが考えた事。

それを盛大に裏切ってくれた君の思考を、
やっぱりわたしは最後まで分かっていなかった。

好きになってしまいました。

それは君の、初めての告白であると、君は言う。

好きになる時間を下さい。

それはわたしが受けた、初めての告白で、
初めての断りの言葉だったというのに。

結局、君の初めてはわたしではなく、二週間前に告白したあの娘。
一度諦めた身、再び好きになるなんて、難しいんだよ。

君は嘘をついた。
長い間をかけて、わたしを騙し続けてきた。

それとも、変わってしまったの、君は。
ともかく気づいたわたしは、君からすっと身を引く事が出来た。
再び出会った君は、わたしが好きだった君とは別人だったんだよ。

そんなとんでもない大嘘付きさんを、
とんでもない悪の道化師さんを、
友だちとしてはやっぱり好きだと思う。
それは心から、そう思う。
何故だろう。
こんなわたしを、みんなはお人好しだと言うけれど、
長い間、親友だった君を失うのはやっぱり少し寂しい。

今はもう、そうは思わないよ。
君がまともに話してくれなくなって、
返信もこなくなって、
こんな日々が続いていく事は、ぼんやりとわかっていた。
まだ慣れないけど、じき慣れるよ。
そうしたら、こんどこそ、君に笑って言おう。
おはよう。
それから、ありがとう。ごめんね。


一年前楽しみにしていたあの文化祭は、あと二ヶ月ほどで開催だ。
君の弾くサックスの音が響いていたらしい、体育館。
君の指揮が輝いていたらしい、その体育館。
今年は、見られるかな。

恋がこんなに辛いなら、わたしはもう、恋なんてしたくない。
こんな思いにさせたのは君だよ。
それでもわたしは君を、嫌いにはなれないよ。
だから、わたしはまた人を好きになるのかな。

好きに、なれたらいい。

好きな人も、気になっている人もいないわたしだけど、
いつかは恋をするよ。きっと。
君は、まだわたしを好き?そんなはずは無い。

後悔はしない。だから、泣かない。
今がこれでよかったと、わたしは思ってる。
これが一番いい、選択だったの。
君もそう、思うでしょう。


さあ、そろそろお別れの時間。
思い出に浸るのは、これで最後にしよう。
またお互い、素敵な人生がおくれますように。