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Julietさまへ  (Catより)
IP: 112.136.40.87
しつこくてごめんなさい。
好きになってごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。
たくさんたくさんごめんなさい。


今日は月曜日。
君の返信はないけど、別に悲しくはないよ。
ちょっぴり気になるくらい。
だから平気。
これがふつうだってそう思うし、
逆にそう大量のメールを送られても困っちゃうし。
そんなこと、ある筈ないけど。


文化祭おつかれさま。

たった一言で、口に出してしまえば10秒もかからない言葉。
でもそれを君に向けて打つのには、
その10倍くらい時間がかかるんだよ。
10倍くらい勇気がいるんだよ。

ほんとうは、
もっと君と練習がしたかったし、
もっとわたしと笑ってほしかったし、
もっとたくさん話したかったし、
もっと君の可愛い姿を見ていたかったし、
もっと君の格好いい姿を見ていたかったし、
もっと名前を呼んでほしかったし、
もっと構ってほしかったし、
もっとメールもしたかった。

わたしはほんとに欲張りで、何も捨てられない。
あれもこれもそれも、全部、もっとたくさん欲しかったんだ。

でも、わたしは言ったよ。

終わってよかったねって。
わたしも早く高校行きたいなって。

君が好きではなかった部活。
君が楽しみにしている高校生活。

どれも"今"を越えなければやって来ない瞬間で、
わたしにとってはそれが辛くて寂しくて、
永遠に来なければいいのにとも思っていたけど。
君がそれを楽しみにしているなら、仕方ないなって思った。

そうしてわたしは"あの時"を越えた。
つい最近の話なのに、遠い昔みたいで、
逆に君の楽しみな生活が、ぐんと近くなった気がしたよ。

君との距離はきっとこのまま変わらないと思うし、
むしろ遠くなっていっても、驚きはしないよ。

君との関わりは、ただのお芝居だったから。
もしかして、君は演じてくれていたの?
わたしのお母さんを。
わたしが大好きな人として。
それでもよかった。
繋がっていたかったから。

せっかく届いた手を、離したくなかったのも事実。
でも届いてしまったから、限界だと思ったのも事実。

届かなかったら、いまでも夢がみれていたのかな。
何度繰り返しても事実は変わらない。
わたしは届いてしまったんだ。
わたしが最初に求めていた君に。

君と幾度も同じステージに立って、
幾度もみた君の横顔は、
たしかにとても格好よくて。

ダンスのときに、
わたしの前で踊っていた君は、すこし無気力でおもしろかった。

それも全部、お芝居だと言われても、わたしは構わない。
誰かのために演じてたと言われても、笑って誤魔化せる。

でもわたしが一番求めていたのは、お芝居でも演技でもなくて。
ただ静かに微笑んでいる君だよ。

わたしが落としたタオル。
笑って拾ってくれた君。
わたしに見せてくれた、最初で最後の笑み。

友だちと笑いあってるその姿も大好きだった。
真剣なのも、
面倒くさそうなのも、
眠そうなのも、
楽しそうなのも、
全部全部、うれしかったけど。

でも、
一度も見たことのなかった微笑みが、わたしに向けられていた。

わたしはきっと、忘れないと思う。
もう二度と見れないとわかっているから、そう思う。
わかっているけど、またみれたらいいなとも思う。
やっぱりわたしは欲張りだ。
でも前より少しは、大人になったつもりだよ。

いまは、君の横顔をみているだけでも、
ちょっぴりうれしい気がする。
だから、あしたからは、文化祭前みたいに、
少し挨拶して、
ぶつかったら謝って、
小さく笑うようにしようと思うよ。
また、一からやり直そうと思うよ。
お芝居じゃなくて、
わたしが君の大切な人になれるように。

でもさ、
たまにはメールくれてもいいからね。
少しくらい話しかけてくれたっていいよ。
挨拶もそっちからしてくれても断然オーライ。
いつか、仲良くなりたいなって、思ってくれてもいいよ。
そのくらいで勘違いしないから。

君と並んで帰れる日があったら,そのときは、
あのとき言えなかった言葉をたくさんたくさん言おう。

あのとき、バトンパス失敗したの許してくれてありがとう。
あのとき、一緒に走ってくれてありがとう。
あのとき、アドレスをくれてありがとう。
あのとき、タオル拾ってくれてありがとう。
あのとき、わたしとメールしてくれてありがとう。
あのとき、お土産よろこんでくれてありがとう。
あのとき、ミサンガよろこんでくれてありがとう。
あのとき、わたしと一緒に舞台に立ってくれてありがとう。
あのとき、わたしに構ってくれてありがとう。
あのとき、わたしを笑わせてくれてありがとう。
あのとき、いや、いまも、わたしに恋をさせてくれてありがとう。
あのとき、好きにならせてくれてありがとう。

ごめんなさいの代わりに。
たくさんたくさんありがとう。

いつか、きっと届けにいくね。
君に、この気持ちを。

それまではどうか好きでいさせてね。
君が"楽しみ"に辿り着くまでの間だけ、
君の背中に、

好きだよ

って、言わせてね。