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YUKIさまへ  (LALAより)
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たしかあれは、とてもよく晴れた春の日のことでした。


あの日、わたしたちは、
真新しい赤色や青色のランドセルを背負って、
男子も女子も関係なく手を繋いで、
キャーキャーとはしゃぎながら、
教室までの道を歩いて、
新しい学校での生活が始まりまったんだったっけ。

あの頃は、君なんて全く目に入っていなくて、
ただ目先の楽しさに目を奪われて、
日が暮れるまで友だちと話し続けていた。

男の子の存在を知り、
お互いを意識し始めたのは3年生の頃だったかな。

初めて"付き合う"っていう男女が出てきたのが、4年生のとき。

君が、あの娘と付き合い始めて、
一躍有名になったのは、5年生か、6年生のときだったっけ。

結局、いつまで続いていたのかもよくわからないまま、
月日は流れて、
君たちは恋人ではなくなっていて、
その間にたくさんのカップルが出来ては無くなり、
いつのまにかわたしたちは大きくなっていて、
新しい学校に進学していたね。

もう、よく覚えてすらいない。
遠い遠い、昔の話だね。

君は、中学校に入ってからも恋人を作り続けて、
わたしにとってはちょっと怖くて、
女泣かせの馬鹿な男子でしかなかった。

端目に映る君は、たまに格好よく見えたりもしたけど、
やっぱりどうでもよかった。

学級委員とか柄でもないことをやってみたり、
サッカーでみんなに騒がれたり、
また新しい女の娘と噂になったり、
男子とふざけて怒られてたり。

断片的な記憶しかないのは、ほんとに君が、
わたしにとってどうでもいい男子だったからだと思うんだ。

むしろ、
怖くて、近づき難くて、わたしは君が苦手だったんだよ。

それなのに、今年に入って突然君が隣になって、驚いた。
確かに、何だかんだで3年間同じクラスの君とは、
苗字並びではいつも近かったけれど。
隣なんて初めてで。
何を話したらいいのかわからなくて黙りこくっていたら、

LALAかー
よろしくな

って。
まるで、これまでもずっと友だちだったみたいに、自然に。
わたしは呆気を取られていたけど、

うん、よろしくね

って、とりあえずそう言ったんだった。

そして、君はわたしが誤解してただけで、すごくいい人だった。
おまけに面白くて、優しくて、格好よくて、
運動ができて、頭もそこそこ。
ちょっとチャラかったけど、
君のおかげで少し、あの辺の人がとくいになった。

こうやって、
たくさんの女の娘が君に恋をしてしまったんだなあ、
とわたしは妙に納得した。

実際に、わたしは君に恋をしてしまった。

あれからまた随分と時が経って、
何人かの人を好きになったけど、
わたしはまたこうして君に戻ってきてしまった。

君の魅力には、敵わないな。

だって、どんなことでだとしても、

わたしの心の中に、君がいなかったことはないから。



こうして、冬の日はまたやってくるのでしょう。

そうしたら別れの時は間近で、
もうわたしは君にさようならをしなくてはいけません。

その時までにはどうか、
好きだと言わせて下さい。

君の隣で君の笑顔をみていられる現状も好きです。
でも、その先がほしいのだと。

君は無理だと言うでしょう。
それでいいの。
そうしたら、冗談だと笑い飛ばして、
君を笑わせてみせます、いつものようにね。

それから思い切り泣きじゃくって、また笑って、
わけわかんねぇって君は笑うのでしょう。


これは、そう。
とてもよく晴れた、秋の日の独り言。