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二人のあなたさまへ  (10歳の私と今の私より)
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ねぇ、聞いて?

もし、私があなたのことが好きだって言ったら、どうする?
そしてそれが、5年前にもあったとしたら。


『10歳だった弱い私』と『10歳だったちょっと幼いあなた』。
好きだった。
初めて、本気で人のことを想った恋だった。
だけど、私は弱かったから。
ドキドキしちゃって上手く話せないし、中々分かってもらえなくてさ。
そんなに仲良くはなれなくて。
クラス替えであなたと別れた、10歳の私は泣いたんだ。
離ればなれの名前をみて、泣いた。
繋がりだった習い事も、あなたはやめてしまった。

私が女の子として、人間として、成長していく中。
10歳の弱い私は、あなたへの想いを抱えたまま置き去りになってた。

2年経って。
12歳の私は、違う人を好きになった。
12歳の私はこの人なら、幸せだと思った。

だけど、ダメだったみたい。

結局、何があったのかよくわからないままその恋は終わってた。
14歳の私には、あの人への思いなどこれっぽっちも残ってなくて。
そんな私の中で燻ってたのは、10歳の弱い私が今も抱え続ける、あなたへの思いだった。

中学校に入った私。
14歳になった私。

気づいたときには、また、好きになってた。
あなたの声も、目の光も、横顔も、相変わらず何でもできちゃうところも。
10歳の私が諦められなかったあなたが、私と同じ教室にいた。


二回目だよ。
あなたを好きになったのは。
どうしても、諦められなかったみたい。
「当たり前だ」って、あなたに話しかけるのすら戸惑ってた10歳の私が言ってるよ。

もしも叶うなら、あなたのそばにいたい。
もしも叶うなら、あなたに一番近い女の子になりたい。
もしも叶うなら、あなたに好きと言ってもらいたい。

けどもう、そこまでじゃなくていいかな。
あなたと同じクラスになって、毎日あなたが目に写った。
あなたと同じ委員会に入って、あなたとたくさん話せた。
二人っきりになったりもしたね。
あなたの隣にいることが、多くなった。

10歳の私が、『もう十分』って言ってる。
でも、15歳になる私はあなたのことが好きなの。
私は、あなたが好き。
5年前に、弱くて言えなかった10歳の私の分も、もう一回。

あなたのことが好きです。
そばにいさせてください。