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姫さまへ  (moeより)
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あの日から一年以上経って、
もう前に進まなければならないことも、
きっとお互い分かっているけれど、
わたしは進めないままです。

わたしは君に沢山嘘をつきました。
いまでも、わたしは嘘を沢山つきます。
悪いとは思っていません。
みんなが笑ってくれるなら、
わたしは嘘つきでもいいかなと思っています。
わたしは悪い人ですね。
別に後悔もしていません。
でも、君には嘘をつかなければよかったなあって、
最近後悔するようになりました。
君の前でくらいは、
素直でいたらよかった。
ちゃんと言えなかったけれど、
たぶん、好きでした。すごく。

君とすごした季節は冬だけだったから、
よく雪が降っていたように思います。

今でも雪が降ると、
君のことを不意に思い出したりして、
楽しかったなあって、クスって笑ってしまいます。

君がくれたものは、
形に残るものばかりではなかったけれど、
確かにわたしの中に残っています。
それは、
あの時過ぎ去ってしまった季節や、
あの頃降っていた雪とは違って、
きちんと残っていくと思います。
これからもずっと。
温かい手で触れてしまっても、
きっと大丈夫。
だから君も、時々思い出して温めてみて。

君に無理やりでもいいから、
アルバムに何か書いてもらえばよかったなあ。

書いてって頼んだわたしに君は、
それ書いたらもう会えない気がする
また会うんだからいいじゃん
なんて言って笑いました。

結局、書いても書かなくても、
あれが最後になるなら書いてもらったらよかった。

ずっと君を好きでいられたなら、
わたしは君以外の男の人を知らないで、
君と結婚していたと思います。

でも、そういう訳にもいかないから、
この思い出には、
いい加減に封をしないといけませんね。

あの日から、
ずっと君を見ていました。
ずっと君に恋をしていました。
きっと、
姿の見えない君を勝手に創り上げては、
その後ろ姿に手を振っていました。
振り向いてほしくて。

君に、
サヨナラが言いたかったのだと思います。

君とわたしの恋は、
有耶無耶に終わってしまって、
わたしはきっと、
君にちゃんと、
好きだったよって、さよならって、
伝えたかったんだと思います。

そうしたら、
前に進める気がしてただけで。

本当はわたし、ずっと君を好きだと思いたかった。
ずっとずっと、
君のことを好きでいられるんだって思いたかった。
君にさよならって言ったら、
君が引き止めてくれて、
そしたら君を好きでいられる気がした。

でも、
君は引き止めてくれないから、
わたしも君を好きでなんていられないから、
これで最後にしないと。

最後までわたしは意気地なしで、
君に好きでした、さよならって言えなかった。

ここで言えても仕方ないって、
頭では分かってるけど、
でも、君なら分かってくれるって思ってます。

あいつらしいなって、
笑ってくれますよね?

君の誕生日がきたら、
電話します。

そしたら、言えますか。
言ったら、笑ってくれますか。

ずっと好きでした。
さようなら。

わたしと、別れて下さい。

本物の君にも、
幻影の君にも、
いつか言える日がくるといいな。

そうしたら今度こそわたしは前に進めそうです。