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先輩さまへ  (後輩より)
IP: 153.196.25.125
ご卒業おめでとうございます。
一つ、気づいたことがあるので告白させてください。
私、先輩とお酒飲むのが好きでした。
お酒が強い先輩が、ビールも日本酒も空けていくのを眺めているのが好きでした。
少しほろ酔いで調子付いて、他の先輩方や私や同期たちとふざけ合うのを見るのが好きでした。
意味のわからないやり取りをしているのを見ているのが好きでした。
お互い意地はって、しりとりを2時間もしていたことも、本当はすごく楽しくて好きでした。
私が「タバコは体に悪いですよ」と言ってから、「減らすように頑張ってるよ」と報告を受けた時、すごく嬉しかったです。
ちゃらちゃらしてるように見えて、本当はすごく賢くて真面目なところが好きでした。
「一緒にビール工場に行こう」って約束、ずっとずっと待ってました。
先輩が好きでした。たぶん、気づかなかったんです。
全然気づかなかったんです。
先輩がご卒業されて、もうお会いすることが無いと分かって初めて、すごくすごく好きな先輩だったと気づいたんです。
先輩が飲んでいた日本酒をいただけた時に、なんとなく心揺れていたのに、気づかぬふりをしたのです。
臆病で、怖がりで、自分に自信がなかったんです。
先輩が、好きでした。
もうきっと伝えることが叶わないので、こちらに書きます。
……一度でもいいから、他のみんなみたいにTさんって呼びたかった。恥ずかしくて、できませんでした。

忘れっぽい性格が幸いして、きっとこの、やっと芽吹いた小さな小さな気持ちも、忘れて枯らしてしまうでしょう。
それで良いのです。それで良いのです。

嘘つきました。大好きです。思い出すと止まらなくなります。
けれど、忘れっぽいのは本当です。きっと……夏が来るまでには忘れちゃいます。

好きでした。先輩。
就職しても、どうかどうか健康に、元気に、活躍してください。
そしてもし、寄せ書きに書いたことを覚えていてくださるなら、一緒に美味しいビールを飲みましょう。

またいつか、会える日まで。