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せんせいさまへ  (出席番号2桁より)
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先生のもとから卒業して、もうすぐ一年がたちます。
学校を卒業したわけではないけど、あれは私にとって、確かに卒業でした。
この手紙はできるだけ短くするつもりだけど、先生のことを書くから、たぶん長くなっちゃうんだろうな。

入学した時は、正直先生が好きじゃなかった。前の先生に感謝の気持ちがあったし、初めての担任だなんて聞いて不満だった。
若い男の先生だからって、女の子にチヤホヤされてるだけの人だと思ってた。
もし意地悪な態度をとっていたらごめんなさい。

でも先生は、私達をまるで子どもか妹弟みたいに心から愛してくれた。
他の教師なら面倒くさがるようなことも、本気でぶつかってくれた。
ふざけたら全力でノッてくれた。
悪いことは反省するまで叱ってくれた。
いい事があると先生までめちゃくちゃ喜んでくれたし、
なによりいつだってすごく褒めてくれた。

成績や性別で生徒を見たりしなかった。
私達はみんな、先生の愛を全く疑わなかった。
だって疑う隙なんてないくらい、あなたは愛情を感じさせてくれたから。

あなたは時々自分に自信がないような発言をしたけど、私は先生ほど素敵な先生はこの世界にいないと思う。
他のクラスの人から、うらやましがられるのは鼻が高かったです。
こんなに私達の先生は最高なんだよって自慢するのが楽しかった。
クラスメイトがあんなに一体になってたのは先生の学年だけです。

ねえ先生、たぶんあなたは気づいてる。
私が親愛や尊敬以外の気持ちを先生に抱いていることを。
気づかないふりしてくれてありがとうございます。

そうです。私は、先生に恋をしています。
たぶん人生で一番大きな恋です。

あれから私も色々あって、何人かの男の子と出会ったけど、
どうしても先生のことを想う夜がやめられません。
優しい男の子の甘い言葉より、先生の挨拶一つのほうが嬉しいです。

文化祭買い出しの日、先生の黒い軽自動車の助手席に座って、先生の好きなBEATLESを聞いたあの時間を、私は何年たっても忘れないでしょう。

叶わないと分かっているし、叶えたいと思ってもいません。
若い女生徒から好かれてると知っても、本気で困ってしまうでしょう先生の誠実さが好きです。
先生にとっては、きっと私はただの生徒の一人。
伝えるだけでも先生の立場を悪くさせるような想いなら、
私は絶対に絶対に、永遠に、誰にも言いません。

先生、高1の終業式のあの日、私はあなたから卒業しました。
卒業式なみに号泣していたあなたが本当にいとおしい。
皆で作ったアルバム、先生ならきっと今も大切にしてくれているのでしよう。
私はそろそろ、あなたから本当の意味で卒業しなければいけません。
先生の夢をみる夜はもうやめにしたい。あなたへの恋心をどうかそっと風化させたい。だからこのラブレターを書きました。


せんせい、心から、だいすきです。さよなら。